宇宙を目指すことは男のロマンであり、国力を示すものとしても重要視されています。中小企業でも宇宙を目指すことは全く無理な話ではなく、衛星の開発から目指すことは可能です。学生時代にすでに小型衛星の開発に携わるなど、宇宙を目指してひたむきに努力をし続けるのが、株式会社アクセルスペースの代表取締役、中村友哉さんです。
学生時代から宇宙にのめりこむ
中村友哉さんは1979年生まれで、現在42歳です。宇宙へのあこがれを子供のころから持っていた人が宇宙関連の仕事を目指すケースが多い中で、中村友哉さんはそれとは違いました。東大在学中、航空宇宙工学科の話を聞いた際、人工衛星を一緒に作ろうと持ちかけられたことで、強く興味をひかれます。人工衛星といえば何百人単位で開発するものという意識が強くあった時代に、学生が人工衛星作りをしている現実を見て、これは面白そうだとすぐに航空宇宙工学科への進学を決断します。2003年、世界でも数えるほどの大学しか参加せず、その中でも東大と東工大のみが打ち上げに成功。ここに中村友哉さんも関わっていたのです。
起業の意識が芽生えた瞬間
大学時代はこれ以上ない貴重な体験で、当然卒業後も同じ道を歩み続けることを視野に入れていた中村友哉さん。しかし、自分たちで衛星を作り、その衛星で何かしらのサービスを行うという会社がなかなか存在しないことに気づきます。途方に暮れていた時、大学の先生に、スタートアップの助成金の存在を知らされます。会社がないなら作ればいい、その視点を指摘されるまで持ち合わせていませんでした。こうして起業を健闘し始めた中村友哉さんでしたが、超小型衛星を作ったところで果たして誰が買うのか、なかなか結果を出せない日々が続きます。
「AxelGlobe」プロジェクト
中村友哉さんにようやくオファーがかかったのが2008年の夏でした。天気予報に関するサービスを展開するウェザーニューズが、自社で北極海の観察を行いたいという理由で人工衛星を持ちたいという考えがあったのです。そして中村友哉さんは、自分たちで衛星を打ち上げ、ニーズに合わせた情報提供を行えば安く提供できると考え、「AxelGlobe」プロジェクトを立ち上げます。たくさんの人工衛星によって、その会社にとって欲しいデータを提供する、この考えに至ったのです。2021年6月、ついに本格稼働を開始し、商売が本格化しました。
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