チーズケーキで年商7億6000万円
「株式会社珈和」の名を聞いたことがないという人も、チーズケーキ専門店「フォルマ」の店名にはなじみがあるのではないでしょうか。
大阪市阿倍野区帝塚山で1987年に創業した株式会社珈和は、チーズケーキの製造販売、物販、カフェやレストランを経営する会社です。高級感あふれる木箱や手触りの良い巾着袋に入ったホールケーキは手土産や贈答用としても人気で、大阪のホテルや結婚式場でも引き出物として利用されています。ケーキ販売店ですがカット売りはせず、ホールで提供すると言うシステムは日本で初めてのことで話題をさらいました。
職人手作りのチーズケーキや焼き菓子にはこだわり食材を惜しみなく使用し、味も折り紙付き。大阪だけではなく、各地のデパートや物産展で好評を得て年商7億6000万円を誇るまでになりました。
チーズケーキの歴史と社長のこだわり
フォルマという店名は、フランス語のチーズ「フロマージュ」から名付けられました。語源となったのは、古代ローマ語で「乳を固めて型につめる」を意味する言葉だそうです。チーズケーキの歴史は古く、古代ギリシャまで遡ります。紀元前776年に開かれた第1回古代オリンピックの際、選手達にもふるまわれたとか。その後、古代ローマ人の手によってチーズケーキはヨーロッパ中に広まることになり現代に至ります。
株式会社珈和社長・伊達哲也は、美味しいチーズ菓子を作るために歴史に忠実に「乳を固めて型につめる」ということから始めました。それにはまず、詰めるものを吟味しなくてはなりません──そう、チーズです。世界中のチーズ生産地の味を確かめ、遂に日本の蔵王の牧場「蔵王酪農センター」に辿り着きました。宮城県蔵王町七日原高原は、別名「日本のチロル」。自然豊かな牧場でのびのびと育てられた乳牛のミルクを使うことに決めたのです。そうして特徴的な無塩ナチュラルチーズの開発に成功しました。無塩にこだわったのは、ヨーロッパの伝統的製法に倣ったからです。このチーズを贅沢に使い、菓子職人が心を込めて作ったフォルマのチーズ菓子はやわらかな甘みとチーズの濃厚さが唯一無二の美味しさを奏でます。古代より続く歴史と、豊かな自然の恵みがギュッと詰まった本物の味がここにあります。
「三方良し」の精神
株式会社珈和社長の伊達哲也は1957年生まれ。モットーは「三方良し(自分よし相手よしお客よし)」だと言います。
根っからのチーズ好きが高じてこの仕事をしていると言うほどのチーズマニア。自身の味覚を信じて、価格にこだわらずに「これぞ」と信じたチーズを商品の原材料として採用するそうです。価格よりも品質を大切に、こだわり抜いた商品をお客様の手にすること。それがお客様、生産者、そして製造・販売する自分たちの三方にとって幸福な「三方良し」に繋がるのです。
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