大島知美　株式会社ごはん　代表取締役～農業、それは人の命を預かる仕事

「ごはん」の存在感

食卓にかかせない存在が「ごはん」。米どころといえば、やはり真っ先に新潟県が思い浮かびます。新潟県に居を構える「株式会社ごはん」は、こだわりの魚沼津南産米を生産・加工・販売を行うお米のプロフェッショナルが集う会社です。農業生産法人として米だけでなく、餅や味噌、おはぎの生産も手掛け、近年は米を使ったスイーツの開発も始めました。
食の基本は米にあるとの信念から、生産者数十名とグループを組んで、農薬を使わない有機栽培米、特別栽培米の生産販売にも力を入れています。販売先は全国にわたり、主要デパートでも取り扱われ、通販や輸出も行っています。

すべてを自社で行う理由

株式会社ごはん、そして社長・大島知美にとっての農業とは何でしょうか。それは「人の命を預かる仕事」だということです。食べたものは人の身体をつくる素となります。そのため、食に携わる者が第一に考えなければならないのは、安心と安全。そのため、農薬を使わなくてすむ独自の有機栽培法を確立しました。それは、自然の力を最大限生かした農法です。新潟県の津南町は「水の郷百選」にも指定された名水の里として名を馳せています。きれいな水は稲作にとって絶対必要な要素のひとつ。水に恵まれた土地の力を生かし、コメ本来の力に着目した栽培方法です。
加工についても、すべてを自社で行うという徹底したこだわりで高い品質を保っています。収穫時のコメは無味無臭だそうです。そこから丹念に熟成させることで、コメ本来の旨味とねばりが生まれます。株式会社ごはんの商品は、余計な味を加えることなくコメそのものの美味しさが活かされる加工技術を施して作られています。
そうして作られた商品は、当初は地域活性化の一環として地元での販売が中心でした。しかしそれだけでは勿体ないという声があがり、アンテナショップ「津張屋」を開いて製品を広く世の中に知ってもらう活動を行うに至りました。こうして、株式会社ごはんの名は商品展開と共に全国へ知られるようになっていったのです。

「株式会社ごはん」の秘密

お米を作っている会社、お米を素材とした商品開発を行っている会社だから「株式会社ごはん」。分かりやすい名前の裏には、こんなエピソードが隠されていました。
新潟県津南町で300年以上の長きに渡って米作を担ってきた農家。それが社長である大島知美の家なのです。地球に優しい微生物農法を行って収穫されたコメは、特別に美味しいと評判を生むことになります。それがきっかけで「株式会社ごはん」は誕生しました。食の基本は「ごはん」であり、自分たちは米作農家としてお客様の命と健康を預かっているのだという自負から生まれた会社名なのです。