村上力男 株式会社あさひ鮨~キャンバスに描く「一皿」

会社

東日本大震災から立ち上がる

黒潮と親潮が交わる三陸沖は、古来より良い漁場として有名な場所です。新鮮な魚を扱った店も多く、全国の美味しい物好きさんたちから一目をおく三陸沖の天然の良港──それが宮城県気仙沼市なのです。
東日本大震災で大きな被害を受けながらも、美味しさを追求するため、そして何よりお客様のため、地域の人たちのために、社長たちは立ち上がりました。
村上力男もそんな社長の一人です。株式会社あさひ鮨は宮城県に4店を構え、寿司のみならずこだわりの逸品料理を提供しており、高い評価を得ています。
村上力男の地域への、店への、そして食材へのこだわりを探ってみました。

気仙沼市の良質な素材を「一皿」に

株式会社あさひ鮨は1967年、気仙沼市南町で創業しました。創業50年にもなる老舗のお寿司屋さんです。職人の目利きで厳選した新鮮な魚介類を中心に、地元の気仙沼の食材を使って美味しい一皿を提供してきました。
「当たり前の美味しさです」と、村上力男は言います。より良い素材、高い技術、心を込めて作り上げた料理──気仙沼の老舗の意地にかけて、毎日当たり前の美味しさを追及していくことは「当たり前」なのだと。

寿司屋にとって当たり前の美味しさを求められる「にぎり」の一番人気は、もちろんマグロ。本マグロやメバチマグロなど、村上力男は天然ものにこだわります。創業当初から継ぎ足して深みを増したタレを使用した「煮あなごのにぎり」も、お客様の誰もが注文する逸品です。三陸で獲れた大ぶりの穴子を、甘めのタレで握った伝統の味だとか。あさひ鮨の名物「ふかひれ寿し」も古くからのお客様の支持を集めています。

寿司の命とも言うべき米は、ササニシキ100%使用。
すし酢に使用するのは、厳選された醸造酢と米酢を絶妙に配合した門外不出の代物だとか。酸味がまろやかで味わい深く、その中にもキリッとした味わいが光る合わせ酢です。
素材の良さはもちろんのこと。選び抜かれたネタ、そしてシャリ。すし醤油にもこだわって仕上げた職人の技の集大成がここにあります。

まとめ~趣味の絵画も「一皿」に昇華

株式会社あさひ鮨を営む村上力男。料理と地元を愛する職人気質の社長は、仕事以外には何をしているのかと問うと、意外な答えが返ってきました。
「趣味は絵画で…」と社長は答えます。気分転換になるかといえば、白いキャンバスの上に色を重ねる行為は、調理にも繋がるそうです。絵の具を食材に、そして皿をキャンバスに。五感をフルに研ぎ澄まして絵画に、調理にと、四季折々の彩りを描くのです。
絵画を趣味にするようになってから 、より料理の「見た目」にもこだわるようになったとか。
地域の振興にも力を注ぎながら、すべては一皿のために。村上力男という人物のキャンバスには、彩りに溢れています。

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