山口孝榮の人生とは
保湿力に優れたスキンケア商品を提供するメーカーとして確固たる地位を築くアイテックインターナショナル株式会社。スキンケアのみならず、ヘアケアやサプリメントなどを開発・販売しています。
そのアイテックインターナショナル株式会社を一代で立ち上げたのは、敏腕実業家である山口孝榮氏です。1999年に発刊されたベストセラー本「ゼロから始めて成功をつかむ知恵―ビジネスには必勝のルールがある」の著者の山口孝榮氏といえば知らない人はいないのではないでしょうか。
山口孝榮氏の実業家人生は、まさに山あり谷ありのジェットコースター模様でした。今回はそんな山口孝榮氏の実業家人生、そして失敗から学ぶ企業家としての目線に注目していきます。
山口孝榮の生い立ちと「経営学」への目覚め
山口孝榮氏は1954年に福井県美山町(現在の福井市)に生まれました。まだまだ戦争の傷跡が残る時代ということもあり、農業を営む実家は裕福とは言い難かったようです。
前の東京オリンピックが開催されたのは1964年で、山口孝榮少年10歳のころ。時代は右肩上がりの高度成長期に突入していきます。山口孝榮少年もいつかお金持ちになりたいと夢見て、経営学を熱心に勉強したそうです。
そして、その熱い気持ちを持って大学進学を果たし、本格的に経営学に取り組むことになりました。しかし、山口孝榮氏はせっかく入学した大学を途中で辞めてしまいます。
それは何故かというと、あることに気付いてしまったからだと言います。経営について教える先生が、どうして自分の手で経営をしないかと。その理念の通りに会社経営を行えば成功間違いなしである筈なのに。「経営学」とはあくまで教室での勉強にすぎないのだと気付いた山口孝榮氏は、学びに意欲を失ってしまったのでした。
起業・挫折・企業のジェットコースター人生
山口孝榮氏が2018年に設立したアイテックインターナショナル株式会社の売り上げは、1年で200億円に達する勢いで成長していっています。
そんな山口孝榮が初めて経営を手掛けたのは、大学を辞める直前のことでした。
友人と一緒に車関係の商品の訪問販売を行ったのです。高度成長期で自動車はステータスシンボルとして多くの人が憧れ、買い求めた時代です。山口孝榮氏の事業はたちまちのうちに成功して、わずか半年で2000万円という売り上げを達成しました。大学生の起業としては、大成功と言えるでしょう。山口孝榮氏は、この経験に自信をつけて大学中退を決意したといいます。
そして、アクセサリー製造販売という仕事を経て、アパレル製造会社を立ち上げたのは1975年、21歳の時のことです。若い山口孝榮氏が熱心に取り組んだ結果、経営は軌道にのり、会社は大きくなっていきました。
そんな時です。予期せぬ不幸が山口孝榮氏を襲います。取引先企業の倒産です。山口孝榮氏の会社は健全な経営をしていたのですが、取引先の売掛金を回収しきれず1981年に連鎖倒産してしまいます。
ゼロからのスタートを決意した山口孝榮氏は、当時としては珍しいコンビニエンスストアの経営に乗り出します。地道に経営を学び続け、実践し、そして徐々に規模を大きくしていきました。
アイテックインターナショナル株式会社・200億円という売り上げの秘密
そして2018年12月。満を持してアイテックインターナショナル株式会社が設立されました。山口孝榮氏自ら経営していた会社が複数あり、それを統合させた形での誕生です。
その売り上げは200億円以上あると言われています。山口孝榮氏は1999年に1億円以上の納税を行い高額納税者ランキングに登場したこともあり、その後も順調に売上を伸ばしていきます。
なぜそんなに売り上げがあるのか、それは単純なことです。
山口孝榮氏が大切にしたのは商品の品質、そして売り方のシステム化──その2点だけでした。
アイテックインターナショナル株式会社は「マトリックスエキス」というスキンケア商品が主力です。細胞にまで浸透するという保湿力に優れた質の高い商品が評価されています。使う人の満足度が高く、リピーターも数多くいるとか。
その販売方法にも山口孝榮氏の経営手腕が光ります。化粧品を売るためには、普通は小売り販売に力を入れます。デパートや小売店に販売経路を開拓して、多くの人の手に届くように営業に力を入れるのが一般的です。
しかし、アイテックインターナショナル株式会社は、フランチャイズというシステムを作りだしました。加盟店舗だけが商品を販売できるようにしたことで、会社とお客様の距離を短くするのです。商品の良さがお客様に伝わりやすいというのはもちろん、実際に使用した人の声が会社に届くという利点もあります。何より中継ぎに支払う経費が必要ないため、会社、そして販売者がきちんと利益を手にすることができます。
SNSを利用したマーケティング戦略
アイテックインターナショナル株式会社の特色は販売の方法だけではありません。
現代に相応しい宣伝方法であるSNSを活用してマーケティングを行っているのです。インスタグラム上ではインフルエンサーと呼ばれる人気投稿者が、マトリックスエキスを手にしたり使用している画像が多く見られます。実際に商品の品質が良いからこそできる戦略なのですが、SNS上での拡散が宣伝となってマトリックスエキスの存在は世の中に広く浸透していきました。
このマーケティングが成功して、たびたび女性誌にも登場するなど、確実にマトリックスエキスとアイテックインターナショナル株式会社、そして山口孝榮氏の名は知られるようになっていったのです。
まとめ~失敗から学ぶ・山口孝榮の力
山口孝榮氏の若き日の起業、そして挫折など、様々な経験を経て誕生した株式会社アイテックインターナショナル。あまりメディアに登場しない山口孝榮氏ですが、周囲から学ぶという姿勢、特に失敗から学びとる能力に長けていることが分かりました。
全ての失敗は成功の母であるという思いの下、山口孝榮氏は更なる未来を見据えているのです。
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