日夏昌彦 株式会社ファーストシーン 代表取締役~「会社の副業」?ありそうでなかったものを作り出せ

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「会社の副業」?

景気の状態で経営が左右される時代。経営者はいかにして会社を存続させるか頭を悩ませています。そんな中、ここ大阪府豊中市にユニークな取り組みで会社存続を試みる会社がありました。有限会社ファーストシーン──本業は結婚式の招待状、席次表などのネット通販を主としたブライダル事業を行っている会社です。
そしてもうひとつ。水中カメラなどの商品開発というまったく異なる事業をサブの事業として手掛けます。いわば「会社の副業」です。

業務用水中カメラの製造

業務用の水中カメラの製造という特殊な業界があります。海洋調査、海洋土木などを行う際、海底あるいは水中に固定カメラを設置し定点観察を行う必要があります。調査の目的や工事の規模によって、求められるカメラは全く異なるものとなるそうです。高画質(FullHD)の水中カメラ、目的に合わせた焦点距離の水中カメラ、水中を監視できる定点カメラ、遠隔で操作できるような水中カメラなど、株式会社ファーストシーンはクライアントの目的を丁寧にヒアリングして最適な業務用水中カメラの開発・制作を請け負っています。漁場や養殖生簀、漁港など。防波堤やヨットハーバーなどから依頼を受けることが多いようです。
依頼を受けたらお客様の要望をスケッチに起こし、部品のひとつひとつを製造します。アクリル加工部分は株式会社ファーストシーン内で設計・加工し、金属部分は専門業者で制作します。出来上がった部品を丁寧に確認しながら組み立てると完成です。本業がブライダル業者とは思えない本格的な水中カメラに、クライアントは驚くといいます。

ブライダル業者が、まったく異なるジャンルである水中カメラ開発・製造を行うのは何故でしょうか。日夏昌彦は、会社は自分の子どもだと言い切ります。だから太く長く生き抜いてほしい。そのためには柱は何本もあった方が良いという考えです。もしも1本が不調でも、その間はもう1本で支えて生き永らえることができるようにとの親心。今は2本柱ですが、柱はまだまだ増やす予定です。
段ボールで作られた鞄、その名も「段ボールキャリーバッグ」や、既にイベントで引っ張りだこの「シャボン玉連続発生機」。更には「釣竿型水中カメラ」など、アイデア満載の商品をどんどん製造・開発中だそうです。業界の境にこだわらず「ありそうでない便利で楽しい物」を作り出すことは会社の未来と同時に、自分の喜び。それを見た人が「なるほど」と唸る声は褒め言葉。
もしもあなたがこれまでにない楽しい便利商品を見付けたら、それは日夏昌彦と株式会社ファーストシーンが作りだしたものかもしれません。

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