大河ドラマで話題の明智光秀の町・亀岡で450年
初代井関宗鱗が紋織業を創業したのは、1555年(弘治元年)のこと。絹糸にこだわり、精練・染色・加工を営む株式会社山嘉精練は、京都・亀岡の地で脈々と伝統を受け継いできました。
株式会社山嘉精練の代表取締役に、山内伸介氏が就任したのは2001年のことです。伝統ある会社を継ぐにあたって、山内伸介氏が大切にしたのはこの言葉でした。
──「絹の文化を大切に」
絹の不思議パワー
毎日「絹」に触れる生活をしている山内伸介氏は、日々「絹」の持つ美しさ、素晴らしさに感動するそうです。
絹糸はコットンの1.5倍ほどの吸水性、放湿性を持っています。更に、抗菌効果、消臭・防臭効果も備えており、肌にも優しい素材です。
あたたかく、強く、そして美しいのは言うまでもありません。そればかりではなく、作り手の思いや、細やかな心遣いが指先を通じて伝わってくるのです。
絹を紡ぎ、製品として作り上げる工程には何人もの職人が関わっています。後の工程で仕事をする職人への気遣い、そして使い手を思うモノづくりが、良いものを生み出す源となるのです。
450年の歴史の中で、私たちのライフスタイルは刻々と変化します。その中で「絹」がいつでも人の身近にいられるように、山内伸介氏と株式会社山嘉精練の職人たちは黙々と変わらぬ努力を続けています。
伝統を継承・式年遷宮への思い
株式会社山嘉精練は1571年(元亀2年)御寮織物司職につき、以降300年もの間、皇族・貴族の衣装制作の任にあたってきました。その縁もあってか、伊勢神宮の式年遷宮では「御木曳」「御白石持行事」という行事に参加したそうです。
気負うことなく日々の仕事に励む山内伸介氏ですが、その瞬間は伝統をひしひしと感じたと言います。
長い歴史を絹と共に歩んできた株式会社山嘉精練代表ならではの経験ですね。
まとめ~伝統を胸に、亀岡から世界へ
2016年に京都府発明等功労者賞受賞、そして2017年には「科学技術分野文部科学大臣表彰創意工夫功労者賞」を受賞した株式会社山嘉精練。
京都亀岡の地から、絹の良さを世界に広めたい。1555年から、長い歴史を絹糸と共に歩んできた株式会社山嘉精練だからこそ、できることは何か。
絹を「シルク」として、海外のお客様の手に届けたいという山内伸介氏のグローバルな展望が注目されています。
現代に相応しい活動の根本にあるのは、カイコを育て、繭から絹を紡ぐ──変わらぬ手仕事を日々繰り返すことであると山内伸介氏の視線は物語っています。
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