山本亮 ワイエルフォレスト株式会社 代表取締役会長~森を、自然を、地球を守る仕事を生み出せ

会社

環境問題を事業化

昨今の異常気象は地球温暖化が原因とも言われています。気候変動について話し合う国際会議COP24の開催などが報道されることも多く、身近な問題として関心を持つ人も多いのではないでしょうか。要因は多々ありますが、大きな原因のひとつに地球上の森林が減ることによって二酸化炭素が増えて温暖化が促進されるということがあります。

1970年福岡市天神で創業した株式会社ワイエルインベストは、この問題に真正面から取り組む企業です。環境問題について、特に森林と人類の共存について日本という枠にとどまらずに活動を広げています。事業内容は、森林の整備や保全、維持・管理事業や植林事業。温室効果ガス排出の削減事業などの環境整備に関するもの。植樹や植林というボランティア的なことではなく、事業として行うことで85億円という年商を生み出す一大事業に育ちました。

森への感謝の形

株式会社ワイエルインベストの会長山本亮は、かつて木材の輸入業を営んでいました。日本国内で使用する建築や家具製造などに使う木材を、外国、特にインドネシアの山から調達する仕事です。そんな時、ある言葉に出会います。
文明の前には森林があり、文明の後には砂漠が残る──19世紀フランスが誇る小説家シャトーブリアンの言葉です。現代に生きる自分は生産性を求めるあまり森林の恩恵を忘れ、森を破壊してはいないだろうかと感じ、胸に刺さったのだそうです。いつしかその思いは、森への感謝を形としてあらわさなければならないという使命感に変わっていったのです。
2005年8月、山本亮はインドネシアでマングローブ植林を開始しました。インドネシア政府から10,500万ヘクタールという広大な干潟を借用し、そこに植林を行うというものです。チャリティーやボランティアではありません。植林によって生み出される温室効果ガス排出権開発という息の長い事業です。
数年後にはスマトラやリアウ諸島などにも同様の事業を広げ、2011年9月に経済産業省より「地球温暖化問題等対策調査」を受託するに至りました。

「文明の後にも森が残る」世界を目指して

山本亮会長は「自然にひたるのが趣味」というくらい、森や海などの自然を愛している人です。人の一生よりはるかに長い年月を生きてきた樹木を眺めると、自然への畏敬の念が込み上げると言います。
「文明の後にも森が残る」世界を目指して、小さなことでも構わない。世界中の人が環境保護という活動に参加できる事業を作り出すことが山本亮会長の夢であり目標です。
植林を儲けの出る事業として行う取り組みは世界的にも珍しいということで、国連UNFCCC(気候変動枠組条約)が行ったワークショップで発表する機会もあり、福岡天神の小さな会社・株式会社ワイエルインベストは今、全世界から注目されています。

コメント