株式会社崎陽軒野並直文

社長

シウマイは横浜名物と知られ、シウマイ弁当はかなりの人気を誇ります。そのシウマイ弁当を販売するのが株式会社崎陽軒で、代表取締役社長は野並直文さんです。順風満帆に見える崎陽軒ですが、実はこの間倒産の危機を迎えるほどの大ピンチが訪れていたのです。

創業は1908年

野並直文さんは1949年生まれで、現在72歳です。一族経営をしていた崎陽軒において4代目の社長が野並直文さんです。社長に就任した1991年当時、崎陽軒の売り上げは右肩上がりで、危機感を感じるほどではありませんでした。しかし、急に売り上げが下がったこと、崎陽軒の本店ビルを建設途中だったこともあり、借金は100億円を超えます。このままでは倒産しかねないという状況で、野並直文さんは抜本的な改革に乗り出します。

年功序列から成果主義へ

野並直文さんが社内を見渡すと、明らかにやる気がなく、いいものを生み出そうとする気概に欠ける社員が多く、年功序列型の組織の悪いところが出ていたのだとか。これではいけないと目標管理制度を導入します。いわゆる成果主義であり、これには社内で相当な反発があったのだとか。家族経営を売りにしていた崎陽軒の伝統を根底から覆すものだとみなされ、逃げるように社員が去っていく様子に野並直文さんは苦々しい思いだったようです。しかも、若手ではなくベテランが去っていくのもつらかったようですが、改革しなければ生き残れないという思いは強くありました。

生産からマーケティングへ

意外なことに崎陽軒はそれまで大卒採用をしてこなかったらしく、それだけ生産に軸を置いた採用活動や企業活動をしており、マーケティングに対する知識がほとんどありませんでした。野並直文さんは大卒採用を決断し、1996年から大卒を採用し始め、マーケティングなどの強化を行います。その結果、100億円もあった借金は2008年に完済、経営も上向き、新型コロナウイルスの騒動になる直前まで右肩上がりの売り上げを記録し続けます。借金を返済するだけでなく、未来に向けての貯金まで作るのはさすがです。そこには家族経営からの転換を図り、散々な評価、ベテランの離反を経験しながらも自分がやってきたことを決して曲げずに信念を貫いた野並直文さんの決断が大きかったと言えるでしょう。シウマイ弁当は多くの人に愛され続けるものになっていくはずです。

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