昭和に建てた建物は令和に入ると、昭和63年に建てたものですら築30年を超えるなど、建物としては古く、将来的に取り壊しや建て替えなど様々な選択肢が浮かび始める時期となります。取り壊しの際には解体業者を呼び、取り壊してもらうことになりますが、長らく解体業を行ってきた上村組社長上村憲司さんは、解体工事をする際に大切なことがあると解説します。
一番注意したいのは騒音
解体工事において一番気を付けるべきことは騒音です。解体工事をする際、重機などで建物を壊していきます。ガレキを撤去するためにトラックを何回も行き来させることもあります。その中で必ずといっていいほど騒音は発生します。ここでポイントになるのが、どれだけの対策を立てても騒音は発生してしまう点です。ゆっくり作業をしようにも音は出ますし、スピーディに作業を進めても騒音は出てしまいます。これだと周辺の人に苦情を言われてしまうため、事前に対策を立てる必要があると上村憲司さんは考えているのです。
上村組では解体を行う際にはできる限り重機を使った解体をしないようにしていることを明らかにしており、人間の手で解体を行うことで騒音をできるだけ発生させないようにしているそうです。
上村組では建物解体から内装の解体など解体工事ならばどんなことでも引き受けており、経験値が違います。そして、解体工事が始まる際には最初に近隣の方々に挨拶を行っています。一言でも挨拶を行い、迷惑をかける旨を伝えるだけでも近隣の人たちは納得をしてくれます。加えて、騒音に対する対策をとってくれるのであれば、たとえ騒音が出たとしても困ったときはお互い様と思ってもらい、トラブルが起こりにくくなるというわけです。
廃棄物の運搬に際して、上村組では廃棄物が荷台から落下することがないよう、細心の注意を払います。業者によっては廃棄物を運搬する際に過積載になるケースがあります。過積載になることでハンドル操作を誤りやすくなり、交通事故が発生する恐れが高まり、様々なところで過積載を原因とする事故が発生している状況です。過積載をする業者は、コストを少しでも抑えようとできるだけ1度で運べるようにして、利益を確保しようとします。ここで被害が生じれば、契約していただいたお客様だけでなく多くの人に損害を与えるでしょう。
上村組ではそのようなことがないよう、廃棄物の運搬に関しても慎重を期しているのです。 上村組は公共工事を受け持ち、民間の大型物件も引き受けるなど、地元でも信頼を集める存在です。その信頼は決して昨日今日で積み重ねたものではありません。周囲に迷惑をかけないよう、最大限の配慮を行い続けたからこそ、信頼を勝ち得たのであり、廃棄物の運搬はいわばその1つに過ぎないのです。
手作業の解体はすべてに優しい
上村憲司さんは手作業での解体工事を行っていますが、これには騒音防止などの効果があります。その一方で手作業にすることで重機が通れない場所での解体工事にも対応できます。実は人の流れが激しいエリアなども手作業での解体をせざるを得ないのだとか。交通の妨げになる場合があり、もし解体工事のために周辺に大きな影響を与えたとなれば、会社の信頼はもちろん、依頼をしたお客様に対してもあらぬ疑いをかけられ、信頼を落とすきっかけになってしまいます。
当然手作業での解体には時間がかかり、場合によっては2週間以上かかる場合もあります。重機と併用しても最大10日ぐらいはかかるわけですから、明らかに非効率でお金もかかるでしょう。上村憲司さんが考えるに、それだけ騒音や振動を防げるのが大きいようです。騒音や振動に対して敏感な方は多く、ちょっとしたことで不安を抱える人もいます。手作業での解体になると、騒音が全くのゼロにはならないものの、重機だけで行う作業で発生する騒音とは比べ物になりません。
また手作業で行うことで細かな作業が行えるのもポイントで、重機でお客様以外のものを傷つけてしまう可能性を消すことができます。京都では長屋がまだあり、長屋の取り壊しをするケースも出てきており、 上村組でも受け付けています。長屋が難しいのは、複数の住宅が連続しているので、もし1つの家だけを解体しようとすれば細心の注意を払わないと大変なことになります。上村憲司さんは長屋の取り壊しに関しても手作業で行うことで対応できるとしています。
まとめ
解体工事はただ単に壊せばいいわけではありません。周囲に迷惑をかけず、最大限の配慮を行い、ガレキなどは丁寧に運搬し、きれいに整地を行って終わりです。ここまでのことを行える解体業者は優秀な解体業者であり、上村組の上村憲司さんはそれができる人物です。手作業の解体工事という手間暇がかかる工事を行うのは、それ相応の理由があるというわけです。
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