乙村要介 株式会社エース 代表取締役社長~創業100年の老舗社長がこだわる3つの理念とは

会社

履物屋としてはじまり創業100年

2021年に創業100年を迎える老舗が、石川県金沢市にあります。履物屋として創業し、今や「吉田カバン」をはじめ、バッグや小物ブランドを幅広く取り扱う株式会社エースです。「一針入魂」を合言葉に、現代では珍しく製造工程すべてを国内でおこなう品質の高さが特徴のカバン──吉田カバンの名を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。使い込めば使い込むほど味わい深く手になじむ上質のカバンは評判を呼び、近年はアジアを中心に海外にも広く知られるようになってきました。
株式会社エースは、この「吉田カバン」を中心に「サムソナイト」「ワイルドスワンズ」などの国内外の有名メーカーのカバンや小物を取り扱うセレクトショップ「COOL CAT」を運営しています。実店舗だけではなく、時代に即してウェブショップ「COOL CAT WEB」の運営にも力を注いでいます。

株式会社エースの歴史

株式会社エースは、1921年に初代である乙村吾乙が履物業を創業したのが始まりです。乙村要介のおじいさんにあたる人ですね。第二次世界大戦を経て、2代目榮一は人々の装いが和服から洋服へとシフトしていったことに目をつけます。そして、株式会社エースを設立。靴小売業へと業種を変化させました。
その後、1999年に跡を継いだ3代目である現社長乙村要介は名ブランド「吉田カバン」との取引開始に成功します。そして会社はカバンを中心とした「服飾雑貨小売業」へ変わっていきました。初代から3代目まで、うまく時代の風を読み、業態を変えることで人々の生活にマッチして生き残りを図ってきたのです。

経営者の3つの理念

モノがあふれる世の中で、良いものを厳選して取り扱うことで株式会社エースは服飾雑貨小売業界で存在感を放つようになってきました。そんな中、乙村要介社長はある決意をします。会社が大きくなるにつれ。当然ながらスタッフの数は増えていきます。家族のように従業員たちと商売をしていた先代、先々代の時代と今は違うと気付いたのです。社長が現場で指示をしていると、店長やスタッフがいつまでたっても成長できない。そのために自分は一線を退こうと。
そして、現場を離れて会社経営者としてやっていくことになったのです。経営者として学び考える日々の中で、社長が大切にしてきた理念が3つあります。1つ目は、経営理念を確立すること。2つ目は、みんなの意見を尊重する社風をつくること。そして最後は、これらの理念と社風が立ち上がっていなければ、会社として良い戦略が生まれることはないという考えです。乙村要介は3つの理念を腹に据えながら、従業員たちを後ろから支える存在であり続けます。

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