清水正和 株式会社ティー・ユー・ティー 代表取締役~但馬牛販売・肉屋の常識を打ち破れ

会社

和牛で有名な兵庫県

高級焼肉でおなじみの和牛──日本には牛肉の産地が数多くあります。昨今、和牛の品質や美味しさが世界でも見直されていることもあって、需要はますます増しているといいます。とりわけ兵庫県は神戸牛や但馬牛など、最高品質を誇る和牛の産地として有名なのは周知の事実。
「てらミート」の店名でおなじみの株式会社ティー・ユー・ティーは、但馬牛の生産直売を行う会社です。兵庫県丹波市に1998年創業しました。資本金は1500万円。それが現在年商3億5000万円を誇る企業に成長したのは社長の清水正和が、ひとえに最高の但馬牛にこだわりぬいたからといいます。
自前の寺内牧場で繁殖させ、愛情込めて肥育をした但馬牛を株式会社ティー・ユー・ティーが直接加工して販売する手法をとり、新鮮さと確かな品質を売りに兵庫県はじめ全国に流通。更には牛肉だけではなく、肉総菜や豚・鶏・猪肉を外食産業への出荷、小売販売、小売店への卸売り、地方への発送などを手掛けています。

但馬牛のポテンシャル

国内にたくさんある和牛ブランド。そのなかで、但馬牛とはどういった存在なのでしょうか。古くから但馬地方(現在の兵庫県北部)で飼われていた牛を但馬牛といいます。他県産牛との交配を行うことなく改良を重ねて育て上げられた和牛であり、今も兵庫県各地で飼われています。同じ兵庫県に有名なブランド牛の神戸ビーフがありますが、これは但馬牛を素牛としてつくられたものでもあるのです。神戸ビーフばかりでなく、松阪牛、近江牛、飛騨牛、佐賀牛などなど日本のブランド和牛の実に85%以上が但馬牛の系統であり、但馬牛の品質とポテンシャルは畜産家から広く認められているといっても過言ではありません。
そんな但馬牛にこだわった株式会社ティー・ユー・ティーがテーマとして掲げる方針は「お客様のニーズにあった商品作り」。お客様に「美味しい」と思ってもらえる肉を提供するために、メス牛を中心に丁寧に育ててます。

陳列ケースのない肉屋

株式会社ティー・ユー・ティーの販売店「てらミート」の最大の特徴として、お肉屋さんには必ずある筈の陳列ケースがないということがあります。お客様の目に商品である肉を魅力的に見せるという目的を持つ陳列ケースは、肉の小売りを行う店舗には設置されているのが常識とも言われてきました。
社長である清水正和の方針で陳列ケースのない肉屋という奇想天外なお店が出来上がったのですが、これにはこんな狙いがあります。ケースに並ぶ肉を見ながら注文を受けるという手法がとれないため、スタッフたちはお客様との会話を大切にします。お客様のお好みの部位を聞き取って、注文をいただいてから切るため、新鮮で風味豊かな但馬牛をお渡しすることができるのです。
少しでも良い状態で食べていただくことが大切だと社長は言います。お客様のために、そして丹精込めて育てた但馬牛のために。綿々と続いた但馬牛の伝統を守り、未来へ繋げることも社長が大切にしている思いなのです。

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