「うちは農家です」
「うちは農家です」と社長の森雅美は言います。1998年、茨城県で創業した「森ファーム」はその名の通り農業の会社です。オーガニック栽培や低農薬栽培など、身体に優しい方法でお米や蕎麦、じゃがいも、野菜などの農産物を育て、収穫物を加工したり販売したり、新鮮な作物をその場で食べてもらえるためのレストランを運営しています。従業員は32名。少数精鋭ながらその活動は多彩を極め、多くの人に第一次産業である農業の大切さを広めたいとの思いから、農業体験イベントを開催するなど普及活動にも熱心に取り組みます。
主な取引先として並ぶ企業の中にはカルビーポテト株式会社の名も、誰もが知っているポテトチップスの原料であるジャガイモは各地の農家から仕入れられるのですが、その中のひとつがこの有限会社森ファームサービスなのです。
こだわり食材の数々
地元に根差した企業でありたいとの思いから、有限会社森ファームサービスは近所の人が有機野菜を手軽に購入できる場所や、口にできる食堂を設けました。森ファーム直売所「里山の森ぽっぽ」、レストラン「ゆるりの森」です。どちらも可愛い名前と緑あふれる雰囲気に、訪れた人は自然と心和むといいます。
「里山の森ぽっぽ」はオーガニックで栽培された米や野菜、そば粉、自家栽培の落花生やそば茶などを販売しています。とりわけ人気なのがオリジナルの手作り田舎味噌。大きな鍋を使って大豆を煮込み、自家製麹と塩を混ぜ合わせ1年かけて熟成させる本格手作り味噌です。
その日の朝収穫した新鮮野菜が人気のレストラン「ゆるりの森」のおすすめメニューは、その名もズバリ「畑のごはん」。前菜からデザートまで、森ファームの全てが詰まったセットメニューです。身体のことを思って作られた農作物を口にして、その美味しさに驚く人は多いといいます。
「人の命を育む生命産業」
自分たちは農家だと言う有限会社森ファームサービスの社長森雅美。では、社長の考える農家、そして農業とは一体どういうものなのでしょうか。
毎日地道に地面を見つめて作物の成長を助ける仕事──それは「人の命を育む生命産業」だと森雅美は言います。人間は命を育み、そして繋ぐために食事をします。食べるものは人の身体を作ります。なので、あいがも農法や有機栽培と方法を駆使して、できるだけ体に良い食材を育てる努力は惜しみません。大切なのは「人の命」、そしてそれを支える「農業」。だから、森雅美はあくまで「農家」にこだわるのかもしれません。
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